世界の森林分布


どのようにして、森林が発達するのか

 ある場所に、何らかの草等があると、その群落があるおかげで葉がおちてそこの土地が良くなって くる。また、群落は風をやわらげ、ここに特殊な気象条件をつくる。この植物群落があるおかげで、 土地や気象条件が改良され、それまでそこに生えることができなかった植物や樹木の群落が発達する。 このような事が繰り返され、森林が発達するのである。
まとめると:裸地→地衣・コケ→1年生草本草原→多年生草本草原→陽性低木 林→陽性高木林→陰性高木林

(以上、sato)

世界と日本

 日本は、降水量の多い国で、年間1,760o程度の降水量である。梅雨時等は、雨がいやだとおも うものだが、世界では、非常に雨の少ない国がたくさんある。例えば、エジプトのカイロ。年間降水量 は、わずか21o。日本で言えば夕立1、2回の降水量である。
 このように降水量の少ないところ(降水量より蒸発量が大きく常に水不足)には、木はおろか草も生 えない。それが砂漠だ。かつて沙漠と書いたが、この方が水が少ないという語源があり、正しいとおも う。砂漠は珍しいものではない。地球上の陸地の5分の1をも占めている。
 もう少し降水量が多いと、そこには草が生え、草原になる。世界には、アメリカ中央部のプレーリー 草原、東ヨーロッパのステップ大草原、南米のパンパス等、広大な草原がある。日本にも高原牧場等の 草原があるが、人口的なものがほとんどで、山火事等によって、草地になり、そこに牛を放牧していた ので草原が維持できている。従って、日本には、自然植生としての草原はない。しかし、世界の陸地の 5分の1は草原である。
 草原にもう少し降水量が増え、湿ってくると、ようやく木が生えてくる。草原の中に木が点々と生え 、また茂みをつくってくる。それが、サバンナである。
 さらに降水量が多いと、ようやく森林ができる。これが植生の原則である。乾燥か湿潤かによって砂 漠、草原、サバンナ、森林となっている。日本には、充分降水量があるので、日本中どこでも森林があ り、あって「当たり前」だと思っている。しかし、このような条件を満たすところは、地球上の陸地の 3分の1くらいしかない。森林は、地球全体からみると「当たり前」の姿ではない。
 貴重な森林資源を守ってゆくのが、われわれの急務ではないだろうか。

(以上、前名古屋大学農学部教授 只木良也著 補足 sato)

世界の森林衰退と日本人の自然観の変化

 古来、わたしたち日本人は森林の様々な恵みに依存しながら自然の一員として生活してきました。 茶道、能、俳句などにみられるように、日本の伝統文化の中に自然の豊かさを優しく感じとっています。
 しかし、明治時代に転機を迎え、西洋の考えである「自然は克服できるもの」という破壊利用が主流 な考えになってきました。
その結果19世紀末の二酸化炭素濃度が290ppmから、1990年には350ppmまで跳ね上が りました。そして今、このかけがえのない森林に異変が起きています。森林の衰退と荒廃です。 中でも、急激な熱帯雨林の減少です。毎年わが国の1/2の面積が無くなっています。またヨーロッパ、 アメリカなどの森林も自動車の排気ガスや工場の排煙が原因である酸性雨により荒廃が進んでいます。
 こうした中、日本古来の「自然の一員として生きる」という必要性があるのではないでしょうか。 地球上の森林は、まさに危機に瀕しているのです。

(以上、sato)